オイルミストへの曝露を最小限にし、従業員を守る

英国のオイルミスト除去スペシャリストFiltermist International(フィルタミストインターナショナル)は、金属加工油剤を使用する全メーカーに対して、効率的な空気抽出とフィルタレーションにより有害な空中ミスト粒子から人々を守る責任があると呼び掛けています。

1800年代に初めて旋盤が開発され金属加工油剤の使用が急激に増加したにもかからわず、労働者の危険空中物質への曝露の危険性が広く知られるようになり、彼らを守る為の立法やガイダンスが出来たのはここ30年位のことです。

空中オイルミスト粒子への曝露は、皮膚炎や呼吸器官トラブル、さらにはガンをも含む様々な職業疾患を引き起こす可能性があります。

フィルタミスト代表取締役社長ジェームズ スタンスフィールドのコメント
“標準設備として、全ての工作機械に効率的なミストフィルタが設置してあることが理想ではあります。しかしながら、多くの理由からそれがいつでも適う事ではないという事も承知しております。
そこで私共は、適したオイルミスト除去設備への投資の重要性について認識すべきであると世界的な製造メーカーのコミュニティに提唱したいと思います。”

オイルミストとは?
オイルミストは、工作機械が潤滑サポートや金属部品の冷温保持の為に金属加工油剤を噴射する際生成されます。工業用潤滑剤は、粉砕、掘削、研削、旋盤、また仕上げのオペレーションなど多様な製造工程に使用されています。

元来は金属の表面を冷やす為に水が使用されていましたが、その後スピードと効率アップの為にラードなど別タイプの潤滑剤へと移行しました。 今日の近代的な機械工場ではアプリケーションの目的に応じて様々な潤滑油が使用されています。製造工程で金属の冷却を保つ為に使用されている金属加工油は、切削油またはニートオイルとして知られているストレート油、水溶性オイル、準合成油そして合成油のベーシックな4タイプがあります。それぞれに特質があり、特定のアプリケーションに対しての使用に適していますが、全ての製品に共通することが1つあります。それは噴射の際に空中ミスト粒子を生成することです。


粒子のサイズ
3.5ミクロンより大きいオイルミスト粒子は、鼻や喉で分離されます。一方で1ミクロンより小さな粒子は血流に吸収されてしまいます。中間サイズの粒子は、喉、気管支、肺などに留まり様々な職業疾患を引き起こします。ちなみに、平均的な人の頭髪直径は10~50ミクロンです。

健康と安全に関する法律

日本労働安全衛生法(最終改正:平成二七年五月七日法律第一七号)第四章, 「労働者の危険又は健康障害を防止する為の措置」二十二条及び二十三条において、下記の様に定められています。
第二十二条    事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一   原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体等による健康障害
二   放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害
三   計器監視、精密工作等の作業による健康障害
四   排気、排液又は残さい物による健康障害
第二十三条    事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。

健康被害を最小限に留める
WHO世界保健機関発行の”職場の健康 労働者の一次健康管理マニュアル” では、空中オイルミストへの曝露等により引き起こされる職業疾患の一次予防について制定しています。

“一次予防は疾患のリスクを低減することによって達成されるものである。職場環境においては、有害物質への曝露量を減らすことによって実施されるのが一般的である。量を減らすことにより、健康に被害を及ぼすリスクも低減される。低減は、生産プロセスや関連のあるインフラの変更実施によって達成される。(例)空中有害物質を解放する特別な換気装置やプロセス等。

空中オイルミストが引き起こす更なるリスク
有害なオイルミストが人間の健康に危険を及ぼす事に加え、オイルミストは引火のリスクや、滴り落ちたオイルミストが従業員通路表面に蓄積し、転倒を引き起こす可能性があります。
また、高感度電子機器上に蓄積することで機器の不具合、生産遮断を起こし、結果として高コストのダウンタイムを招いてしまう恐れがあります。

オイルミストの除去
いくつかの製造メーカーでは一般的な換気のみを行っていますが、汚染された空気が広範囲に渡る作業環境へ流出してしまう前にそれを捕らえる局所排気装置 (LEV)は、オイルミスト除去に対しはるかに効率が良いという事実は広く認識されています。


局所排気装置システム(LEVシステム)を使用したオイルミスト除去
現在、工作機械から生成されるオイルミストの収集と除去に用いられる方法は3つ。静的ろ過メディア、静電式、そして遠心分離力を用いた回転フィルタユニットで、それぞれの方法に独自の属性があります。


静的ろ過メディア
静的ろ過メディアユニットは、一般的に大量生産のアプリケーションに使用され、集中抽出システムに広く用いられています。空気はユニットに引き込まれ、重量のある粒子は底へ落とされ、オイルは集積または再利用に汲み取られます。その後汚染された空気は上昇し、小さな粒子を捕まえる1番目のフィルタカセットを通過します。アプリケーションにより特別なデマンドがあれば、必要に応じて更なるろ過工程を足すことも可能です。

静電式フィルタ
静電式フィルタは空中汚染物を集めて内臓の阻止板に捕らえる帯電を発生させるイオナイザーを使用しています。このタイプのフィルタは、溶接煙やスモークアプリケーションに大変適した効果を発揮しますが、オイルミストに対してはあまり対応が出来ず、すぐ阻止板に蓄積してしまいます。その為、空中汚染物質を効率的に捕獲できる数量が減少するので、稼動を保つ為に定期的なクリーニングが必要となります。

遠心力
遠心力は、世界を率いる製造メーカーによって工場内の空気を清浄に保つ事で信頼を置かれる実績ある方法です。特化デザインされた羽のついた穿孔ドラムが高速回転。オイルミストはユニット内に引き込まれ、超高速スピードで羽に当たります。特殊ドラムパッドが粒子の合体をアシストし、浮遊粒子は取り除かれます。オイルは遠心力でユニットのアウターケースに押し出され、再利用として機械へ戻されるか集積をされ、清浄された空気はユニット頭部より作業場へ還元されます。

 

ジェームズのコメント
”効率的なオイルミスト抽出の必要性は世界的に広く認識されており、当社オイルミストフィルタの需要増加に反映しています。日本におけるフィルタミストユニットの販売は2014年から2015年の間に24%増加しており、今後もこのトレンドは続くものと思われます。

全ての雇用主は職業疾患を引き起こす危険要素から従業員を守る責任があります。フィルタミスト社は50年近くにわたりこの業界に従事していますが、未だに汚染された空気を受けている労働者の例を目の当たりにしています。それは職場における健康と安全環境に対する厳しい規制がある英国においてさえもです。

私達は、将来全ての機械工場がオイルミストの汚染が無くなることを望みます。そうする方法はここにあります。しかしながら、世界の製造業界全てにおいて、オイルミストの危険性及びその問題は比較的容易に解決できるという事を雇用主が教育される必要があります。”


フィルタミストオイルミストフィルタについて更に詳しくお知りになりたい方は、弊社日本代理店、京都に本拠地を置くDynex(ダイネックス)社へお問い合わせください。

=関連リンク=

Dynex社連絡先

http://www.dynamictools.co.jp/contact/

WHO世界保健機関発行”職場の健康 労働者の一次健康管理マニュアル”

http://www.who.int/occupational_health/regions/en/oehemhealthcareworkers.pdf?ua=1&ua=1